《MUMEI》

私も、話していい?

アキナが、言ったんだ

待ってくれ、俺が話したい

タクヤさん、先に話させて

いや、悪いが俺に話させてくれ

私もよ話したいことあるの!

イズミ、譲ってくれ!

私、先にはなしたい!

アキナ、私は一言だけよ!
先に話させて!

同じじゃないし、代わりじゃないわ!

イズミさんが、叫ぶように言ったんだ

…………後でいいわ、タクヤさん、先にどうぞ

………イズミが、言ってくれたよ、
ノブは、成長してる
それは、アキナが、いるからだ
…………アキナも、見違えるほど変わったよな?
しょせんは、上辺だったんだよ、
イズミと、死んじまった女の関係も、
俺と奴の関係もな……

タクヤさんがそう話すと

何も、築こうとしなかったもんね、
努力すら、しなかったものね
その場を楽しく、
ちょっと、刺激的な事をして、
あれじゃ、いつか壊れるよ

俺も、今はそう思ってる
アキナ、すまなかったな、先に話しちまって

ううん………あのね、
ノブから教わったの
良い事も、悪いことも一緒にしようねって、
幸せも、地獄も一緒なんだなって、
だから、痛みも、悔しさも、半分こにって、
………それなりに、素敵な人に見えたよ、
けどね、薄っぺらいのよね、アイツ
けど、あの頃の私も、薄っぺらかったから、
……………エッチなこと、好きだよ、
普通よりふしだらな女だよ、
淫乱なんだなって、じぶんで思うし、
それをノブに隠そうとは思ってないわ
……………ノブを貸してって、
それは、私を貸してってことよね?

違う、アキナに、手は出さない!
そんなことを求めてるんじゃないんだ!

タクヤさん、痛みも幸せも分けあえなきゃ、貸せるはず無いでしょ?!

……………

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