《MUMEI》

もしも月面に大気があれば、『ウォッチャー』が様々な機械を起動させた瞬間から、月の数十キロ四方に人工的な機械音 が轟き渡ったであろう。
それは不吉な、サイレンのような音に違いない。
そのサイレンを発するのは、地球からは決して観察する事が出来ない、月の裏側の大地にそそり立つ、クリスタルの巨大な塔であった。
東京スカイツリーの数十倍はあるであろう高さの、その建造物を、一体何者が造りだしたのか?
今、そのクリスタルの巨大な塔の中で鳴り響くサイレンは、塔の中で様々な作業についている、頭部が異常に大きく漆黒のアーモンド型の眼を持つ、小柄なバイオ・ロボット達に、太陽系外から迫りつつある脅威への警戒を呼びかけていた。

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