《MUMEI》
モラルと興奮の狭間で
20万キロ近く走ってる、ポンコツ車だけど、
修理したんだ

完全に直すのは、ちょっとね
エンジン載せ変えた方が早いって言われちゃってさ

金額も凄いことになるし、取り敢えず走れれば良しとして、
エアコンは載せ変えたけどさ、

コンプレッサーの寿命だってさ

足回りもミッションも、かなり疲労してるって

でも、修理を終えて車が戻って来たんだ

その日、四人でお祭りに行ったんだ
イズミさん、素敵な浴衣姿でさ、
俺、見とれちゃっててさ

タクヤさんはアキナに、見とれてた

黒髪のショートヘアーか、
清楚な感じも似合うな

えへ、ノブねぇ、美容室から帰ってきたらその場で襲ってきたんだよ

激しかったんだろ?

ううん、すっごく静かで優しくて、
でも、ギラギラしてて……

はいはい、良かったのね

イズミさんが、ツッコミ入れてたんだ

うん、

あっけらかんと答えるアキナ

冷やかしたはずのイズミさんが

静かなのに、激しい、か………
そんなのも、経験してみたいなぁ

タクヤさんを、横目で見て言ってたんだ

浴衣姿ってのも、そそるなぁ、
帰ったら、そんな感じでするか?

………四人で、居たいなぁ

イズミさんの、言葉に、ドキッとしちゃったよ、
車中泊の、ときのことを、思い出しちゃってさ

刺激的だったね

そう言ってアキナがタクヤさんと肩を並べて歩き出したんだ

………イズミさんが俺の腕に腕を絡めてきた

イズミさんの胸、柔らかい?

アキナが、聞いたんだよね

緊張するよぅ、腕取られると

なにょ、嬉しくないの?

くっつき過ぎっす、

クスッ、立っちゃう

からかわないでぇ!

ムカツク、タクヤさん、腕失礼しまぁす

アキナがタクヤさんと腕を組んだんだ

なるほど、緊張するな

変な感じだけど、不愉快じゃ無かったんだ

嫉妬みたいな気持ちを楽しめてたんだよね、
それに、イズミさんを連れて歩くってのも、
何だろう、凄い優越感
綺麗ってだけなら、アキナより遥かに光ってる
存在感が違うんだよな

アキナが、タクヤさんにたかってた、
アンズの水飴食べたいって

やっべぇ、可愛すぎるぜ

なによ、タクヤ、そういう女嫌いじゃなかったの?

女女して、甘えてくるの、小馬鹿にしてたんだけどよ、
アキナは許せる

はいはい、私は似合わないものねぇ

そうかなぁ?
イズミさん、タクヤさんの前ではベタベタじゃん

まぁね、外でそんなことしたら、タクヤ引くもん

美人は何しても似合うよ

…………やばぃ、年下の言葉にドキッとしちゃったわ

へぇ、イズミ、年下嫌いだったろ?

ノブは別みたい、ねぇ、ラムネ飲みたいなぁ

うん、

イズミさんにたかられたんだけど ……
ドキッとするような、可愛い仕草でさ

お祭りの間中、
パートナーチェンジしてたんだよね

金魚すくいもしたし、射的もした
焼きそば食べてたこ焼きも食べてさ

車に戻るとき、本当のパートナーと並んだんだ

ドキドキした?

アキナが、聞いてきたんだ

うん、胸くっつけてたろ?

揉ませたわけじゃないわよ

ちぇっ

嫉妬されるの、好き、
でも、嫉妬してる方がドキドキする

え?

………どこまでしちゃうのかなぁ?
ノブ……

アキナは?
どこまで、出来るの?

わかんない……

………お酒のみたいね

うん

誘ってみようよ

……うん

俺、タクヤさんを誘ったんだ

……………

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