《MUMEI》
作戦開始
    〜歩視点〜


次の日、俺は爽やかに目を覚ました。


朝からルンルン気分で支度を済ませ学校に向かう。


そして、もう学校に来て教室の自分の席で本を読んでいる美少女の姿を発見し、昨日海に貰ったアドバイスを試すため小走りで近づいていく。


近くにいくと本から視線を外し、こちらをチラッと確認する彼女。


おっ脈ありか〜!!


っと胸を弾ませていると、彼女はすぐ視線を下に落とし、何もなかったかのように本を読み始める。


……あれ?脈なし?


でも、そんなことでへこたれる俺じゃない!


よしっ、作戦開始!!


「麗羅ちゃん、おはよう♪」


っとにっこりと微笑み挨拶する。



海に貰ったアドバイスとは'ちゃん'付けで呼ぶこと。


まぁ、アドバイスには続きがあるんだけど、それはまたのお楽しみってことで……。



手応えは





…………なし。



こっちを見向きもしない。


おれがしゅんっと肩を落としていると、俺の後ろから


「麗羅、おはよ〜!」とライバルの声。


落とした肩を上げ、ライバルの方をキッと睨みつける。



ライバルに挨拶された麗羅ちゃんは、チラッとライバルの顔を見るとプイッと顔を背けた。


俺の時は、そんな可愛い反応してくれなかったのに……。


というか無反応だったのに。




さすがの俺も、すこし悲しい気持ちになった。

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