《MUMEI》 今のところ〜歩視点〜 またまたこいつか〜!! 昨日から、俺の邪魔ばっかりしやがって〜!! 俺はそいつに向かって少し荒々しい口調で、質問を投げかける。 「何だよ、お前!!昨日から…… 麗羅ちゃんのなんなんだ!?」 するとそいつは、失礼な俺の問いかけを気にする様子もなく、笑顔で和やかに挨拶を始める。 「あっ初めてまして!歩っち!! 蝶野 栄実っていいますっ! ちなみに麗羅とは友達だよ〜!まぁ今のところはね」 あ・あ・あ・歩っちぃ!? 馴れ馴れしいな!! ……でも可愛い名前だな♪ 馴れ馴れしい呼び方に憤りを感じつつ、新たな愛称を気に入る自分がいる。 ってか俺の呼び方は今はどうでも良くて! "今のところ"って何だよ〜!? 俺は、すかさず質問する。 「"今のところ"ってどういう意味!?」 するとニコッと笑みを浮かべてそいつは口を開く。 「えっ!だって仲良くなったら、親ゆ「おっはよ〜!」 そいつの言葉を遮り誰かが、元気良く挨拶をしてきた。 「「海!!」」 そいつと声がハモり、眉間にシワを寄せ、蝶野を見た後、海に視線を向け質問する。 「海、こいつと知り合いなのか??」 すると海はキョトンとした顔をして 「あぁ、言ってなかったっけ? 栄実とは、長い付き合いだよ」と言い終わると笑った。 そんなやりとりをしていると、ホームルームの始まりを知らせるチャイムが鳴り、みんな自分の席へと戻っていく。 海の登場のせいで、俺は"今のところ"の続きのことをすっかり忘れているのであった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |