《MUMEI》
〜SECRET BASE〜10year afterを聞きながら
〜君と夏の終わり将来の夢大きな希望を忘れない十年後の八月また出会えるの信じて最高の思い出を〜
イヤホンから流れる音声ぽっかり空いた心の穴ひとしずくが私の頬を伝った。

10years ago
出会いはなんでだったっけ?ふとした瞬間私は君にで会ったんだ
親戚が一斉に集まるお盆休み。まあ、大人同士の会話を小学2年生くらいの女の子には聞かせたくない、ということもあってか私はお盆休みになるとお隣の「青柳 ジュン」の家に行っていた。
「真冬ちゃん、いらっしゃい。ジュンも楽しみに待ってるわ。ジュン早く降りて来なさーい!」
ジュンのお母さんが2階に向かって声を張り上げれば、すぐに「もう少し待っててー!」と大きな声が聞こえる。
「ごめんね。真冬ちゃん上がってちょうだい。麦茶でも入れるわ。」
「おじゃまします。」

私が麦茶を飲もうとしたらドタドタと走る音が聞こえてリビングの扉が慌ただしく開いた。
「おはよ、冬ちゃん!早く行こっ!」
「こら、ジュン。近くにガラスのコップがあるでしょ、真冬ちゃんが怪我でもしたらどうするの?」
「そっか、ゴメン、冬ちゃん」
「ジュン君、大丈夫だよ。おばさんも心配ありがとう。早く探検に行こう。」
「うん!母さん行ってきます!」

私たちの住んでいるところは大きな森・高い山・田んぼ・畑がたくさんあって典型的な田舎だった。その日は天気がいいこともあってジュンくんと私はたくさん遊んだ。
セミ取りをして、川で水遊びして、ヒミツキチで買った漫画を読んだりした。
一日はあっという間に過ぎていって、気づいたら日が傾いていて日暮しがカナカナと、声を上げていた。ヒミツキチにクーラーなんてなくて二人で座っていたクッションには軽く汗のあとが着いていた。
「冬ちゃん、もう帰ろっか。」
「ジュン君、前歯抜けたんだ。笑ってる時、歯が見えたよ。」
「うん。一歩大人に近づいたかな?早く大人になってメジャーリーグに行きたいよ。」
「ジュン君、野球好きだもんね。私、応援するね。
「ありがと。冬ちゃんは夢とかないの?」
「ある、けど・・・」
「言いたくないの?だったら言わなくていいよ。ほら、帰ろ。」
「・・・・・うん。」

手を差し伸べるジュン君はかっこよく見えて私は思わず照れてしまう。
「どうしたの?」
「なんでもないよ。」

私は照れながらジュン君の手を握り、家路についた。
ジュン君、私の夢はね・・・・・。

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