《MUMEI》
in 皐の家
泣いて逃げるなんて卑怯だったよね…
でも、堪えれなかった
「明日どんな顔して話せばいいんだぁぁぁ」
バンッ!
部屋のドアが勢いよく開いた
「あ、お兄」
ドアの所には兄の晃太がたっていた
「さっきからうるせーんだけど?」
ヤバい…怒っております
「ひぃっ、ごめんなさい」
ひょこっ
「なになにー?面白い声がきこえたんだけど♪」
弟の奏太が顔を出した
「な、んでもないよ」
にこぉっ…
「てめぇ、俺に隠し事かぁ?」
「さぁ、うるさかった理由を教えてもらおうか」

ドS兄弟めーー(涙)

「ふーん そんな面白いことがあったのか」
結局無理やり吐かされた…
「まだ返事してないんでしょ?」
「う、うん」
「じゃあ、付き合っちゃえよ」
なにこの子、そんなあっさりと…
「む、無理だよ!」
イラッ
「なんで無理って決めつける」
「だって…私は愁君の偽りの好きじゃ嫌なんだ」
チッ
「わがままな妹だ…」
「お兄は嫌じゃないの?」
「あぁ、俺なら付き合って俺だけに夢中にさせるな」
「俺も〜」
奏太も同意のようだ
「皐なら大丈夫だ!だから自信もて!」
くしゃっと皐の頭を晃太は撫でた
「お兄、奏太ありがとう」
頑張るよ、私
愁君の気持ちが今は偽りのものでも、いつか本当の気持ちにしてみせるから
「その前にちゃんとした人かどうか判断するから、明日連れてきて」
「え、でも」
「皐姉の為なんだよ?」
「奏太…… わかったよ」
「ありがとう」
「奏太、やり過ぎるなよ」
晃太は奏太の耳元で囁いた
「わかってるよ」

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