《MUMEI》

味がわからない







お米が喉をとおらない




















「……槙村?」












わたし、泣いてるんだ









「……旨すぎた?」








一之瀬君が、冗談めかして、優しい声でのぞきこんでくる











「………………普通」








涙が止まらない








おかゆの塩気がふえてく








久しぶりだ 看病 なんて









あぁ 本当に







「おかゆ………おいしい……」











なんで一之瀬君は こんなに わたしを見てくれるの?








いじわるだ







「だろ?頑張ったもん」











好きだ

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