《MUMEI》

我慢がきかない







熱のせいかな









一之瀬君にさわりたい










「………何?」






私のとなりにすわってわたしを見る一之瀬君に、手をのばした








ほっぺに届きそうで 届かない………!










「んん……!」








すると、一之瀬君のほうから近付いてきた









「さわりたいの?」









目をつむって、頭をこっちに向けてくる









なんだか とんでもないことをしてる 気がする







いや、してる










こんなこと




いつもの私なら きっと出来ない










「うん。さわりたい。もっと」










下がってきた微熱が、ちょっとだけ上がった

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