《MUMEI》
ハラヘリ
私は一通り自分の考えをまとめた。

ノートにはびっしり文字が詰まっている。今日の取り調べの僅かな量と比べて思わず苦笑した。


−−考えられることは全て考えた。後は答え合わせのみ。

調度良いタイミングで携帯が鳴り出した。

山本からのメールだ。

「ハラヘリ」

幼稚な文に笑いが込み上げて来る。
お昼に誘うならもっと大人らしくしてよね。

ふぅ、なんか山本にペースを振り回されてるな私。

でもこれからは違う。

このお昼を食べ終わるまでにせめて山本と同じ立場に立ちたい。

それは私の望むことだし、きっと山本の望むことでもあるはずだ。

心理学者として私も力を見せないとね。

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