《MUMEI》
ヒソヒソの内容
   〜麗羅視点〜


「三島さんって美人だからって、調子乗りすぎ〜!」


「何言っても許されると思ってんだよ。


美人だといいねぇ〜!顔目当てで寄ってくる人がうようよ居て〜!」


「本当に顔だけだよね〜。性格最悪!!」


ヒソヒソ言ってるつもりなのか、聞こえるように言っているか分からないが内容は全部聞こえている。


「うるさい」


ただそれだけ言った。


それだけしか言えなかった。


こんなの慣れてるはずなのに……。


シーンとしたのは一瞬で女の子達は、勝ち誇った顔でこちらを見ながらさらに大きな声で続ける。


「やっぱり〜本当に性格最悪〜!


キツいにも程があるよ」


「本当!同じクラスなんて最悪」


バンッ――!!


女の子が言い終わるのが先か、昨日の奴A(歩)が机を叩いたのが先かっていう絶妙なタイミング。


いきなり大きな音がしたので、驚いて肩を上下に揺らすクラスメート達。


そんなこと目に入っていないのか、ヒソヒソ話をしていた女の子達の方を向き睨んで歩は話し始める。


「性格悪いのはどっちだよ!


麗羅ちゃんのこと何も知らないくせに、分かったようなこと言ってんじゃねぇよ!!」


怒気を帯びた声に、教室がまたシーンとなる。




あんただって、私のこと知らないじゃん。


私、性格悪いよ。


それなのに私のことかばってくれるの?


私のために怒ってくれるの?



昨日の奴A(歩)の様子に怯んだのは一瞬で、女の子達は強気に戻る。


「ほっんと、美人は性格悪くても味方がいていいねぇ〜!」


すると今度は蝶野が口を開く。


「ねぇ?何でそんなこと言うの?

麗羅は、あなた達に何もしてないじゃん。


それなのに、何で麗羅のことそんなに悪く言うの?


麗羅のこと傷つけるようなこと言わないで!」


蝶野も何で会ったばっかの私を、そんな必死にかばってくれるの……?


自分まで悪く言われちゃうかもしれないのに。


何を言っても女の子達は自分の意見を曲げる気などなく、声を荒げて決定打になる1言を言い放つ。


「存在がウザいんだよ!


美人だからって調子こいてんじゃね―よ!


はっ?こいつ全然顔変わんないじゃん。何言われたって平気なんだよ!」


もう無理……。


ガタッという音を鳴らし私は、席を立って鞄を持ち


「勝手に言ってれば?」と言って教室を出て行く。


「麗羅!」


蝶野は私の後を追いかけてきた。

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