《MUMEI》

私、宮河凪は父子家庭で二人の兄と弟一人の
男に囲まれてきたため男勝りな女の子に育っ
ていた。兄の影響で剣道と合気道を習い、弟
の影響でゲームにハマり、一日中それらに追
われ家事は丸っきり出来なかった。


高校入学の時に一人の男子生徒が先輩に絡ま
れているのを持ち前の正義感と大会で優勝す
るくらいの武術で助け出した。八乙女薫とい
う彼は小柄な可愛い男の子で不覚にもキュン
としてしまった。環境柄乙女な部分にドキド
キするようになっていた。


同じく新入生だった彼と一緒に教室に行くと
、同じクラスで席も隣だった。自己紹介して
午後には帰れるのだが中学に生徒会長勤めて
いたせいか学級委員に選ばれた私は会議があ
り解放された頃にはすっかり夕方だった。


誰も居ないだろうと思われた教室には八乙女
が一人残っていた。本を読んでいた彼が私に
気付くと笑って声をかけてきた。私を待って
いたと言う彼にまたしてもキュンとした私は
恐らく顔が真っ赤だっただろう。

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