《MUMEI》
帝国行きます!
冬の夜は食料を求めてくる獣達が来ないよう
にといつもより結界を強めていた。


カ「ようシド、どうだ?」
「ああ、丁度終わったところだ」
カ「そうか!」


厚着をしたカインはランプを手に雪を踏み鳴
らしながらこちらに近付いてきた。

あれから修行して自信をもってカインの火傷
の後を治したが一番酷かった左目は治せなか
った。カインはこのままでいいと言って笑っ
ていた。


雪避けにフードを被った俺を覗き込み左目に
眼帯をしたカインはニッコリと笑った。


「何かようか?」
カ「いや、シドが雪に埋もれてないか心配だ
ったんでな」
「な、埋もれるか!」
カ「腰まで埋もれているように見えるが?」
「!?うわ、気付かなかった」
カ「どんだけ集中してたんだよ。ほら」


そう言って手を差し出したので掴めばあっと
いう間に雪から引っこ抜かれカインの腕に収
まった。

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