|
《MUMEI》 「夢」を見る・・・１「試合開始！」 ルキアはただ、その言葉を待っていた。フッと短く息をはき、この剣舞戦を征するために石畳を蹴った。 剣舞戦は、魔防具をつけて行われる。魔防具は込められた魔法を消費することにより、外部からの衝撃を無効化する。しかし込められた魔力が尽きた場合、魔防具ははずれる。この剣舞戦は相手の魔防具から魔力を削り切ったら勝利を手にすることができる。 「らあぁあっっ！」 二十分ほどたった。ルキアは手で握りしめた真紅の光を纏った試合用の魔法剣を真横に凪ぐ。しかし、相手は真上に大きく跳躍し回避した。 それを狙っていたルキアは片手で剣を空中にいる相手に向け、剣の先端に魔力をこめた。刹那、剣先から、相手に向かって紅い閃光が発射される。 ルキアは魔法を打ち出した反動で1mほど後退するのを余儀なくされたが、閃光は吸い込まれるように命中し相手の魔防具から魔力を残さず奪い去った。 魔防具が装着者からはずれた瞬間、辺りには魔法によって増幅された大音量の声が響く。「第七二回ルーバランス魔法剣術学院第七学年剣舞戦の優勝者は、ルキア・クローラル！」 「やったね！ルキア！第七学年優勝だよ！」 友人のセルシアが飛び跳ねながら言った。 次へ |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |