《MUMEI》

ジオは21歳。もう側にいなくても大丈夫だと
俺は判断した。


ジ「あ、シド様!今日も満員でデザートは売り
切れました!」
「そうか。ならそろそろ俺は必要ないな」
ジ「え?」
「ジオはもう一人で製造から接客までこなして
十分に生きていける筈だ。店は午後から出して
いるが、クラジュを止めてこの店で頑張ってみ
るんだ」
ジ「……実は、今日クラウディアさんが来て、
クラジュにはもう来なくていいって言われたん
です」
「認めたんだよ。ジオとこの店をな。俺が何故
ジオにカフェをさせたか分かるか?」
ジ「?」
「君は元王子だったため接客の方が向いてい
ると思ったんだ。だが君は自分が作った物で
色んな人に喜んでもらいたいと言った。それ
に料理に対する好奇心もあった。だから接客、
製造が両立出来るカフェを進めたんだ」
ジ「!」
「今のジオなら自信もって任せられる。後はジ
オの自由に生きていけるだろう」
ジ「……僕、頑張ってみます。シド様のお陰で
生き甲斐を見つけられました。今まで本当にあ
りがとうございました」
「頭を上げてくれ。やりきったのはお前自身な
のだから。それにまた息抜きに遊びに来るさ」
ジ「そう言えばシド様は普段は何を?」
「ああ、城で国を守っている」
ジ「城でって…あ、新王がたってから出来たあ
の帝国守護団(ディオスガード)ですか?」
「んー、そんなところか」
ジ「凄いですね!こんなところではなく城に居
なくても良いのですか?」
「……大丈夫だろう」
?「大丈夫な訳ありません!!」

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