《MUMEI》
黒猫さん
『ニャー!!』





次の日の朝。


今度は黒猫がやって来てこう言いました。




「お前が首に着けている物は一体何だ?」





するとねこは胸を張ってこう答えます。


「これはアクセサリーですよ。とってもお洒落でしょう?」


ねこは、自分の首に赤く光るソレを黒猫に見せびらかせ、とても自慢気に答えます。
けれど、黒猫は呆れた様に言いました。




「それは首輪って言うんだぜ?」




その声は昨日の小鳥の様に、微かに笑いを含んでいます。




そして



「お前…まるで犬みたいだな。」




昨日来た小鳥と、同じ台詞を猫に吐き捨てると、どこかへ去って行きました。







「また…ですか……?」




黒猫の後ろ姿を見つめながら、ねこは小さく呟きました。






「首輪な訳ないですよね?だって、僕は…」





ねこは窓硝子に映った自分の姿を、何度も何度も見ては言いました。







「僕は猫なんですから…。」

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