《MUMEI》

イビルニード城・謁見場――

エ「これはこれはディオマティス帝国からはる
ばるイビルニードまでようこそお越しください
ました。王は病弱なため私、エドガーがお迎え
いたします」
ロ「王太子エドガー様ですね。私は皇帝陛下側
近のロイド・ハーディスです」


迎えたエドガー王太子は上質な服に指にはめら
れた宝石の指輪に随分と贅沢な暮らしをしてい
れのだと分かった。長い金髪をかきあげながら
微笑むエドガー王太子に不快感におちいるが鍛
えられたポーカーフェイスで顔には出さず、に
こやかに返した。


エ「左様ですか。皇帝陛下はどちらに?」
ロ「陛下は長旅でお疲れのようでして一足早く
部屋へお連れいたしました」
エ「……っ、一目お会いしたかったのですが、
残念です。ロイド殿もお疲れでしょう。話は明
日にしまして今日はお休みください。必要な物
があればなんなりと」
ロ「お心遣い感謝します」


ロイドが去った後、エドガーは先ほどまでの笑
顔を歪ませていた。


エ「ふん、偉そうに勝手に動きやがって」
部下「エ、エドガー様、相手はあのディオマテ
ィス帝国ですぞ!?」
エ「アスカリア1の強国だから何だ。聞けば新
しくついた王はまだ子供だと言うじゃないか。
ガキが王とは帝国も堕ちたものだな」
部下「そ、そうでございますね」
エ「邪魔なイオルを飛ばしたら帝国を攻め込む
のも良いかもな」
部下「エドガー様!?」
エ「帝国を我が物にし、アスカリア1の座をイ
ビルニードにする。その為に先ずはイオルだな」
部下「門番や裏の者の話ではイオル様はロドリ
ーゴ伯爵のもとにいるようです」
エ「これ以上先延ばしにすれば相手の機嫌をそ
こねる。直ちに連れてこい。ロドリーゴ伯爵も
今まで反抗的だったからな一緒に消してやる」

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