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《MUMEI》 彼の手がいつもとは違う様子で、僕のネクタイやシャツのボタンをもどかしそうに外してくる。 （必然的に僕が女役になるのか…まぁそうなんだろうけどね） 「ま、待って…」 女役という事は…つまりそういうワケで…。 「あのな…男同士は、準備がいるんだよ」 「うん…」 そう言って僕の身体を抱きしめていた克哉君の腕を外そうと手をかけると、克哉君の方もさすがにそれに気づいたみたいでハッとすると素直に解放してくれた。 「それでもいいんだね…」 そう言うと克哉君は頷いて、僕を抱き起こしてくれた。 どうせ、そういう関係になるのなら、いっそ身綺麗にした方がいいから。 前へ |
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