《MUMEI》

それから追い出した姫達の国から問い合わせが
殺到し、謁見場には長蛇の列ができ、最後の者
が帰る頃には夕方だった。


謝罪を述べていく中には自分達は悪くないと訴
えたり、俺が本当に皇帝か聞いてくる者もいて
面倒な国も多かった。


度重なる疲労に暫くは城をあけないと決めた。
溜まった政務を少しずつやっているとだんだん
無心になれて、仕事が逃げ道になりつつあり、
ロイドは密かに安堵していた。ゼスも不在だっ
た間に鍛錬を怠った団員に喝を入れ、ストレス
発散に打ち合っていた。


ロ「シド様追加の分です」
「分かった、そこに置いてくれ。右の書類は終
わったから持っていけ」
ロ「はい。シド様そろそろ昼になりますが昼食
はどうします?」
「いい、いらない」
ロ「しかし朝も食べていないですし……真面目
に仕事をしてくださるのは助かりますが、この
ままでは倒れてしまいます」
「む……」
ロ「……とりあえず運んできますから、少し休
憩してください」
「……分かった」

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