《MUMEI》

白いベットに力なく横たわる彼の全身は包帯
が巻かれ、隙間から見える肌は青く、目は片
目を失明し、意識不明の重体だった。私は激
しい怒りの中先輩がたむろっていると言われ
る廃工場に一人向かった。最早加減もなく殺
気を漂わせ向かってくる奴等を片っ端から殴
り飛ばしていた。いつの間にか先輩の一人が
隠し持っていたナイフが私の腹部を刺していた。
気付けば周りは先輩達が血を流し倒れていた。
返り血に染まった自分の手を見るが視界は霞
んで見えなかった。


「ごめんね……薫」


そう呟いた私は力なく倒れ、意識を失った。

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