《MUMEI》

私は殺気を滲ませ手を振り払った。すると突
風が吹き出て近付いてきていた山賊は後ろに
吹っ飛び、木や岩にぶつかり気絶した。残っ
た山賊のリーダーは激しく狼狽えていた。


山賊「な、てめぇ魔法使いだったのか!」
「死ね」
山賊「あ、あがああぁぁ!!」


私がそう呟いた瞬間、男の体が炎に包まれ、
ドサリと崩れ落ちた。終わったと思ったが未
だ冷め止まない魔力が周りの木を燃やし始め
た。


私は慌ててなんとか消そうとするがコントロ
ール出来ず火は燃え続けるだけだった。


エ「シド!!どうしたの、止めて!止めなさい!!」
「あ、止まんな、い、助け」


止まらない火に自分の浅はかさを感じた。魔
法の恐ろしさを実感して、涙が溢れた。


?「シドー!!」


突然体に衝撃が来たと思ったら強く抱き締め
られた。その瞬間抱き締めるその人も魔力に
触れて体が炎に包まれた。

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