《MUMEI》

「おい、下ろせ」
カ「こっちの方が心配ないだろ?」
「……もう大人なんだが」
カ「子供見たいなお前に言われてもな」
「ぐぅ……」


俺は15歳、カインは17歳になり大人へと成
長していた……はずだった。


悠々と歩くカインの腕にチョコンと座る状態は
まるで子供とその父親のようだった。15歳に
なったにも関わらず身長は140cmの子供の姿
のままだった。


10歳の時の魔力の暴走の影響なのか成長の止
まった俺に対してカインはグングンと成長し、
近かった視線が今では見上げなければ顔も見れ
なかった。元々体格の良かったカインは筋肉質
の爽やか青年となり、村の女の子達からは騒が
れていた。俺はもろ子供扱いで初めは抵抗はあ
ったが無意味だと諦めた。


カ「ん?あれは……」
「?……人?」


村の入口付近に差し掛かった時人影が見えた。
入口の消えかかりそうなランプの明かりに照ら
された姿は男性で遠くから見ても端正な顔つき
だと分かった。


カ「おい、雪の夜に来るなんて命知らずだぞ」
?「すみません、急いでいたもので……ここは
コルノ村ですか?」
カ「そうだ、あんたは……」
「取りあえず家に連れていこうよ」
カ「……そうだな。あんた名前は?」
「私はロイドと申します」
カ「ロイドさんね、さっき来たばかりで寄ると
ころも無いだろうから付いてきな」
ロ「ありがとうございます」

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