《MUMEI》

俺はカインに抱えられたままフードの奥からジ
ッとロイドという男性を見た。何となく関わっ
てはいけないようなそんな感じがしたのだ。


家に着くとエレナさんが俺達(主に俺)を見て安
心した顔をしたが後から入ってくる男性を見て
驚いていた。エレナさんの淹れてくれたココア
(カインはコーヒー。この差は何だ?)を飲みな
がらカインとロイドさんの会話に耳を傾けた。


カ「で、この村には何故?」
ロ「噂の魔法使い殿にお逢いしたくて参りまし
た」
カ「またか……」
ロ「また、と言うと?」
カ「噂がたってからあんたみたいに魔法使いを
見に来る奴が多くてな。あんたはどこから来た
んだ?」
ロ「ディオマティス帝国です」
カ「……っ!?ディオマティスって、あの…」
ロ「はい、あのディオマティスです」


『ディオマティス帝国』の名前は知らないもの
はいないだろうと言われるほど。『アデルハー
トス』一の大国と言われ、前王の時は豊かな強
国であったが現王の治める今、富国強兵の裏で
は賄賂や税、厳しい罰則を強いる評判の悪い国
の一つと成り下がった。そんな所からの使者な
んて嫌な予感がプンプンしてきた。


カ「ディオマティスの使者殿がその魔法使いに
何のようで?」
ロ「是非、評判高い魔法使
い殿に帝国に来
て頂きたいのです」

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