《MUMEI》

低い声色にその場にいた者たちが固まった。少
年の黒い眼光に畏れたのだ。


「行くぞ、ロイド。ついてこい」
ロ「……、は!!」


12時の金が国中に響き渡った。時計塔の広場
では公開処刑の用意が完了し、後は合図を待つ
だけだった。それを見守る一般階級の人々は悲
痛な面持ちで縛られた彼らを見つめていた。


兵「聞けぃ、この者たちは畏れ多くもガーディ
ス皇帝陛下の暗殺を目論見んだ、反逆者共だ!
今日これより公開処刑後反逆者殲滅を宣言する!」


ザワザワと騒いでいた人々は一斉に青い顔で黙
った。それを見た兵はニヤリと笑い、さらに続
けた。


兵「尚、この口上を聞いて黙ったものも殲滅対
象とする!」
全「「「!!」」」


私達が着いて聞こえた声に騒然とした。これで
はこの場にいるもの皆殺しと言っているものだ
ったからだ。


ゼ「ふ、ふざけやがって!!」
ロ「ゼス!?ま、待てお前ら!!」


ゼスら反対派の者たちは一斉に武器を手に衛兵
に向かっていった。武器を持たない一般人は逃
げ惑い建物に隠れた。

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