《MUMEI》

最後に城や身の回りを整え始めた。これが一番
大変だった。城の中はガーディスの趣味の悪い
物ばかりだったため気に入らない全てを売りさ
ばき、資金にした。国政ではガーディスの決め
た法律を撤回し、以前の安定した法律に戻した。


一番の大変だったのは国際問題だった。ガーデ
ィスの無闇な戦争と徴兵に完全に信用を失った
状態に流石に頭を抱えた。


急いで使いを出し会合を始めた一国一国出向く
がやはり幼い姿に舐められ、今なら簡単に帝国
は落ちると戦を仕掛けられた。なんとなく分か
っていたため、国には強力な防御壁をはった。
(ただ強力なため継続してはりつづけるのは難
しく、だからといって弱くすると急な攻撃には
耐えきれないという欠点があった)そしてゼス率
いる元反対派の武兵で帝国守護団を結成して対
抗した。主に私一人で壊滅状態(死傷者ゼロ)に
したのが効いたのか次々と関係を戻しに来る所
や新たに関係を結びたい所も現れた。


落ち着いた頃には5年の月日がたっていた。


この間、国だけでなく自分の身にも異変が起こ
った。18歳の時突然魔力が溢れだし、自分の
魔力に押し潰されそうになった。慌てた様子の
ロイドが言うには、18歳(成人年齢)になると、
魔力が急激に活性化するのでそうなる前に自分
の分身となるディオスフィアの宝玉を作り、そ
れに封印しなければならなかったのだが容姿の
ため説明を忘れていたそうだ。当然宝玉を作っ
ていなかったので仕方なく父王の宝玉にあふれ
でる魔力を封印して事なきを得た。


20歳の春、すっかり昔の風景に戻った国のそ
の日はお祭り騒ぎとなった。やっと国の救世主
シドヴィルグが王座に座ったのだから。

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