《MUMEI》

「ありがとう、舞子ちゃん」








「もう、楓もティッシュくらい持ち歩いたら?」









ちーん








こんな風に いつもの様に私をしかる舞子ちゃんも、ちーん と 鼻をかんでいる









「ごめん」








いろんな意味をこめたつもりは なかった









でも、この状況で ごめん は










「謝らないでよ。私の嫉妬だよ」








「わ、私だって」







舞子ちゃんは不意をつかれたようにきょとんとした









「私だって、嫉妬したよ。一之瀬君に!」










「ええ、なんでぇ!?」










「だって、一之瀬君のせいで舞子ちゃんとめっきり話せなくなった」








また 目があつくなる









頬も だ

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