《MUMEI》

「イズモ」


瞬時に隣に現れ、跪いたイズモに三人は驚き瞠
目してこちらを見ていた。


伯「黒い衣……まさか『ムサシノ』の者か!?」
イ「なんでそんな奴が……何だ……お前、一体
何なんだ」
「初めは疑ったが、ジオ、お前の友は良い奴だ」
ジ「ありがとうございます」
「イズモ、報告してくれ」
イ「王太子エドガーは城にて悪政を続け、フィ
オナ姫に高価なものを与えご機嫌をとっていま
した。フィオナ姫は高価なものを贈られていま
すが婚約には乗り気ではないようです。配下の
ものはへつらい媚をうっていました」
「国王はどうしている」
イ「病を患っているようでしたが医者には見せ
ず必要最低限の世話しかしておりませんでした」
「……酷いな」
執事「ロドリーゴ様、至急ご報告が!」
伯「どうした!」
執事「先ほどディオマティス帝国の皇帝陛下が
王子の婚儀に参列するため入城しました!」
イ「何だと!?」
伯「まさかディオマティス帝国まで……」
ジ「え?え?」


三者違う反応を見せるなか、俺は笑っていた。


「クク、面白くなった」

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