《MUMEI》

ロドリーゴ伯爵邸――


「ハ、ハックシッ!!」
イ「食事中だと言うのに下品だぞ」
ジ「シド様風邪ですか?」
「そんなんじゃないと思うが……ズズ」
ジ「誰かが噂していれのかもしれませんね」
イ「誰がだ?」
ジ「え!そ、それは……」
伯「イオル王子!!」
イ「伯爵!?どうしたんだそんなに慌てて」
伯「城から兵が、イオル王子がここにいること
が気付かれたようです!!」
イ「なっ!?」
伯「早くお逃げ下さ……っ!?」


バンッ


兵「イオル王子を確認!イオル王子、城へお戻
り願います。ロドリーゴ伯爵、貴方は不敬罪の
罪により連行します」
伯「……っ」
イ「な、伯爵は何も悪くない!俺だけ連れてい
けばいいだろう!?」
兵「連れていけ!!お前らも不敬罪だ」
ジ「!?」
「……」


乱暴に檻の着いた馬車に伯爵、ジオと共に詰め
込まれ城へと走り出した。


伯「イオル王子……」
ジ「シド様……っ」
「落ち着けジオ、俺にまかせとけ」
ジ「はい」


落ち着いた様子のジオを一瞥し、鉄格子から見
える城を見上げた。

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