《MUMEI》

ゼス様と一緒にイオル様の部屋へと向かいまし
たが部屋の前には兵士の方が立っておられ、部
屋に入りたいと伝えると初めは渋っておられま
したが私一人なら少しの間ならいいと許しても
らえた。


ゼス様と別れ部屋の扉に近付き声をか
けましたらイオルの静かな声で許可を頂き部屋
へと入りました。窓の近くに立っていらしたイ
オル様に胸が高鳴りました。金色の髪と茶色の
瞳が夕日に照らされとても綺麗で、顔が染まる
のを感じました。


イ「君は?」
フ「初に御目にかかります。私はガラノス国王
女フィオナ・イヌール・ガラノスと申します」
イ「!では君が俺の相手の?」フ「はい」


外に残された俺は兵達と睨み合いながら待って
いると、出てきたフィオナ姫は先ほどの緊張し
た顔から穏やかな顔に変わっていた。


ゼ「話は出来たようですね」
フ「はい、イオル様は良い方だと分かりました。
ですがこのまま結婚をすればエドガー様が本当
にこの国を治めることになり民が苦しむのを避
けたかったそうです」
ゼ「…まぁ、あの人がどうにかするだろうな」
ボソッ
フ「何かおっしゃいましたか?」
ゼ「いいえ?では部屋まで送りますよ」
フ「?はい」


フィオナ姫を送り牢屋にいるあの方に期待と牢
屋に向かったロイドに心の中で少しだけエール
を送った。

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