《MUMEI》
過去の断片1
「山本さん、こんな場所だと思い出しませんか?私達が出会った時のこと」

「あぁ、あの時と似てるよな、今の状況」

「私は山本さんに叫んでるとこしか思い出せないんですよ。まだその時私6歳でしたから」

「本当に子供だったよなお互い。まぁ俺はその時高校生だったけど。びっくりしたよ、里緒がずっと俺に、死なないで、死なないでって叫ぶんだからな。本当によく覚えているよ」

「私は山本さんが父に言ったことは正しいと思いますよ、それに出会った時から犯罪とか、死とかに対しての考え方は、立派だと思っています」

「立派か……………それでも俺には分からないんだ………里緒に頼って悪いな」

「いえ、そのかわりホテルに戻ったら暫く一人にさせてもらっていいですか」

「あぁ、もちろん」

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