《MUMEI》

エ「この者達は私に逆らい不敬罪となった罪人だ。
こいつらを火刑に処す!」


ロドリーゴ伯爵、俺、ジオの順に用意された木
の棒に縛られ、足下には薪が束ねて置かれた。


イ「止めろ!!」
フ「止めてください!こんなこと父が許しませ
んわ!!」
エ「ガラノス王はこの場にいない。ディオマテ
ィス皇帝も止めないようだ」
皇帝「……」
フ「皇帝陛下どうか止めてください!貴方様は
こんなこと許すのですか!?」
皇帝「……」
フ「そんな……」
イ「く、皇帝もエドガーの味方か……くそっ」
ロ「お言葉ですが、我々はあくまで客人。止
めるにも他国での権限は弱い。それはガラノス
王とて同じ。勿論、他国で"王に何もなければ"
ですが……」
エ「皇帝陛下には丁重に迎えているんだ。何を
いうにももう遅い。火をつけろ!!」


兵が持っている松明の火が足下の薪に燃え移った。


フ「……っ!」
イ「伯爵!ジオ!!」


その時、燃えていた筈の火が忽然と消え、高笑
いを上げたエドガー、暴れていたイオル、涙を
流していたフィオナ、悲痛な面持ちだった国民
は驚きに目を見開いた。


エ「何だ?何故消えた!?おいもう一度火を…」
「イオル、俺の心配をしてくれないのは酷いん
じゃないか?」
全「「「!?」」」

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