《MUMEI》

魔法で縛っていた縄を風邪で切り、同じように
二人の縄も切った。


エ「な、縄が……ガキ!何をした!?」
「イズモ、国王の容態は?」
イ「薬を与え、起き上がれるようになりました。
今の現状に怒っているようでした」
「そうか、ならまだ王座から降りないようだな」
エ「卑しい身分のガキが私を無視するとは許さ
ん!何をしている罪人を捕らえろ!!」
「無駄だ」


俺は武器を構えて周りを取り囲んでいた兵を魔
法で吹き飛ばした。


エ「な……」
兵「エドガー王太子!報告です」
エ「何だ!今はそんな話……」
兵「で、ですが只今ガラノス王が入国しました」
エ「何だと!?」
ガ「遅れて参列する事は謝罪するが……今は婚
儀ではなく処刑をしているようにお見受けする
が?」
エ「こ、これはこれはガラノス王。処刑をして
いるのは罪人が現れたため仕方なく…」
ガ「……あの三人がか?」
エ「え、ええ。現に真ん中の子供が我が兵を攻
撃したのですよ」
フ「父上!それは違います。彼らは……」
エ「ああ姫君は気が動転されているようだ。直
ぐにあの者達を消しますから」
ロ「お待ちくださいエドガー王太子殿」
エ「な、何でしょうかロイド殿?」
ロ「我らが皇帝陛下がこの刑に反対のようで、
今回の刑は取り止めにして頂きたい」
エ「勝手なことは困りますね。貴殿方に止める
権限はないと先ほど……」
ロ「ええ、言いました。"王に何もなければ"と。
ですが我らが王は危害を加えられそうになりま
したからねぇ。はっきりと」
エ「何を言って……」


ロイド達は高台から降り、俺の元に近付き頭を
垂れた。


エ「ロイド殿!?そいつは罪人で……」
ロ「何を仰っているのですか?我らの王はこの
方。この方こそディオマティス皇帝陛下シドヴ
ィルグ様でございます」

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