《MUMEI》

ガ「私は勘違いをしていたようだ」
フ「父上?」
ガ「あの皇帝は実に王らしい者だ。あの者の治
める国には一度足を運びたいものだな」
フ「…ええ、本当に」


ガラノス王に見られているとは知らず同じよう
に拍手をしていた俺にロイド達が近付いてきた。


ロ「シド様、分かってますよね?」
「何をだ」
ロ「勝手に仕事を放り、国を出て、騒動を起こ
したことです」
「イズモ、王の護衛ご苦労様」
イ「はい」
ロ「無視しないで下さい!」
「書類の中にはイビルニードの招待状もあった、
悪い奴も退治して、王には感謝されてこれから
の交流も頻繁に行われる。そうなれば帝国もさ
らに豊かになる。一石二鳥ならぬ五鳥だろう」
ロ「そ、そこまで帝国の事を!帝国の為の計画
だったのですね!!さすがシド様」
ゼ、イ「「……(そんなわけないだろ/かと)」」


ゼスとイズモが冷ややかにロイドを見ているが
全く気付かず恍惚と俺を見ていた。


その後、城に戻り改めてイビルニード国王に俺
は国の再建のアドバイスをした。とても感謝され、
ディオマティス帝国に降ると言われ、対等な立
場で必要なときは力になると伝えると貿易や漁
で得たものの三分の一と土地の一部を捧げると
言われた。こればかりは断ってもきかなかった
ため渋渋受けた。穏やかに済んだイビルニード
との外交の後のガラノス王との外交は凄かった。


ガ「養子に来ないか」
「…………はい?」


砂漠地帯のガラノス特有の褐色の男は笑顔でそ
う言い放ったのだ。ガラノス王にはフィオナ姫
含む三人の娘がいるが息子がいないため、妙に
気に入られた俺を息子にしたいと言ってきたのだ。

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