《MUMEI》 髪を束ねている間は本気モードだが、髪を下ろ した彼は色んな意味で危なかった。一瞬で髪を 解いた彼はシドの頬を撫でた。 ク「何故です?久しぶりに陛下に会えたのです よ。柔らかい頬、サラフワな 髪、小さいのに ほどよく鍛えられ締まった体……あぁ、解剖し たい!……」 ロ「離れてください。シド様が苦しんでます!」 ク「苦しんでいる顔もまた…」 ロ「誰か早くこの変態を部屋から連れていけ!」 ク「ふふ、変態だなんて褒め言葉ですよ。陛下 、早くよくなって私を罵ってくださいね」 ロ「早く連れていけ!」 兵「「はっ」」 クロードがいなくなり安堵と疲れで溜め息をは いた。 先王の医師は高齢し、このまま医師を続けるの は難しいと思われたシドは急遽医者や医学のあ る者を仮病を使い城に呼び寄せ、仮病だと伝え たときの様子で降任を決める事にした。呼び出 された者達は仮病の事実に不満や怒りを露にし た。いたずらに呼び出されたからと多額の金を 要求してきた。 「この国の医者は技術はあるが自尊心が高い。 もっと心のある奴はいないのか」 ロ「シド様最後に旅医者だと名乗る者がいまし た。国の者ではないですが…」 「旅医者か……いいだろろう、連れてこい」 連れてこられたのは眼鏡をかけ、目は閉じた銀 の髪を束ねたクロードだった。クロードは仮病 だと言われると笑顔で良かったと言った。今ま での反応とは違ったのでシドは何故だと聞くと ――。 ク「医者は怪我や病を治す者ですよ?患者に何 事もなければそれが一番ではないですか」 その言葉を聞いて、シドはクロードを後任に決 めた。その後髪を解くと変態になると知って悩 んでいたがまた探すのも面倒だからとそのまま 続けさせた。今では髪を結んだ彼は城中から尊 敬される医師となったのだ。 前へ |次へ |
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