《MUMEI》

そう言ってカバンから取り出したのは風邪薬の
錠剤ではなく、青い液体の入った三角フラスコ
の小瓶だった。


「!、これは(……某ゲームのポーション!?)」
ロ「プリギですか?」
ク「ミオロス平原のガリダの葉、とシウバ川の
清水等を配合した、一般的にも出回っているも
のなのです。口に合うかどうかは……」
「プリギ…?(ポーションじゃないのか)」
ク「開発者の名前がついた、簡単に言えば回復
薬みたいなものです」


クロードからプリギ(ポーションもどき)を受け
取ろうと手を伸ばすがそれより先にロイドの手
に渡っていた。


ロ「シド様が飲む前に毒味をしないと!」


そう言って薬を飲もうとしたため、魔法で取り
返し、ロイドを睨んだ。


「これはクロードが持ってきた薬だぞ。毒味す
る意味はないだろ」
ロ「ですがっ!?」
「それとも俺が信頼するクロードを疑うのか?」
ロ「っ…い、いいえ……そういうわけでは……」
「ならば問題はない」
ロ「あ……っ」


一気に薬を飲んだ俺を呆気な顔で見るロイドに
ニコリと笑いかけた。

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