《MUMEI》
1
「て、何回も聞かされていい加減飽き飽き」

ここはシタリア大陸にあるシーバス王国。
その王宮内の一室
シーバス王国の第一王女ラティ・ハウヴェル・シーバスの私室

そして、今愚痴めいたことを言ったのはこの部屋の主ラティ・ハウヴェル・シーバス王女殿下。
髪は黒色で緩やかな曲線を描きながら腰の辺りまでのびていて、
目はパッチリ二重で大きく瞳は髪と同じ黒色をしている。
肌は元々日焼けしにくい体質で透き通るような乳白色をしている。
全体的に小作りな顔立ちながら目が大きく、身長も150センチと小柄なため、年齢は16歳だが少々幼く見える。

なので綺麗というより可愛いと周りから言われている。

今は限りなく白に近い青色のドレスを身に纏い、テーブルの前に座っている。

「ラティ様、お茶が入りましたわ」

そう言ったのはラティの侍女リラ

リラはラティの侍女であり、護衛も勤める。
それはリラがラティ命で
「主人(ラティ様)のお世話をするのは侍女(私)の幸せ」
「ラティ様のお世話をするのは私!」
「ラティ様をお守りするのも私!ほかの誰にも譲れませんわっ!邪魔する輩は私が消して差し上げてよ?」
と、その凄まじい情熱と努力と殺意(?)で勝ち取った場所なのだ。

ちなみにリラは相当腕が立ち、日々訓練して鍛えている兵士でもリラ相手には勝てはしない。
ラティに危害を加える者には誰であろうとも容赦しないため、いつでも対処できるよう常時どこかに隠し武器を装備している。

ラティ「ありがとう、リラ。いただくわ」

ラティがリラに向け笑顔で礼を言い、お茶を飲む。

リラ「! 素敵っ素敵すぎますわ〜。さすが私のラティ様!」

リラはラティに笑顔を向けられて感激に浸った。

リラ「とこでラティ様」
ラティ「なぁに?」
リラ「何ゆえ教師様は今さらそんな子どもでも知っていることを今また姫様に聞かせるのでしょう?」

ラティ「さぁ?私が月の神子だからかしら?」

リラ「それは皆様存じているはずですわ」

そう、ラティはこの世界の唯一にして最高の神の1人
月光神の「神子」なのだ。

ラティ「それかまさか…」

リラ「? お心当たりがおありですか?」

ラティ「でもまさか…まだ早いと」

リラ「ラティ様?どうかなさいまして?」

リラは考え始めるラティを見つめオロオロしはじめた。
リラ(ラティ様…何かお悩みがあるのかしら?
私にはお話できないことなのかしら?
はっ、私では役不足と?
私はなにも…いいえ!だめよ私は誇り高きシーバス王国第一王女ラティ・ハウヴェル・シーバス様の侍女にして護衛も勤めるのっ!

姫様のことを悩ませるなんで万死にあたいしますわっ
私の姫様に〜〜っ!!
諸悪の根源見つけたら八つ裂きですわっ!)

とまぁ自分の侍女が妄想炸裂させているうちにラティは考えを纏めると立ち上がった。

ラティ「行きますよ、リラ!」

リラ「ラ、ラティ様?どちらへ?」

ラティ「お父様のところにです」

そう言うとラティはリラの返事を聞く前にドレスを綺麗に捌きながら父王いる謁見の間に向けて歩きだした。

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