《MUMEI》

その日、アカネとハルとサヤは三人仲良く同じベッドで眠りにつき、妖精達は妖精専用のミニチュア布団を電脳世界から呼び出して、同じく眠りについた。

そして、俺はソファ。

まぁ、無いから仕方ないのは分かるよ。でも、足がはみ出るんですが。

寝返りうてませんが。

そんな座り心地良好で眠り心地最悪なソファに文句を言いながら、寝つけないでいた。

そして、なんとなく今日のリビングでの出来事を振り返る。

コーヒーを飲んだ後は、みんなで順にシャワーを浴び、汚れ等皆無だがなんとなくスッキリしてから夕飯を食べた。

アカネ作ハンバーグカレーにハル作ポテトサラダ。

どちらも店の物、現実の物と見迷う程の美味しさだった(サヤは皿を並べていて、少し羨ましそうな顔をしていた)。

そして、確認した事は、これからの事は明日の午前に話し合うこと、サヤの自己紹介、サヤの妖精サウザーの紹介。

レベル上げはみんなとやることになりそうだ。

まぁ、アイに言われては敵わないが。

サヤの紹介はすんなりと終ったとして、俺的にはサウザーが気になった。

「サウザーって格好いい名前をつけて貰いました。自分、感激です!こんな僕とこんな御主人をよろしくッス。」

脳内で自己紹介の時のサウザーの言葉を浮かべる。

はっきり言って、個性の塊、みたいな奴。

俺のパーティの面々は、はっきり言って変な奴ばかりだ。良い意味で。

しかし、ミリオンヘイムオンラインに出現して一日も経たない、妖精経験のまるでないサウザーの性格は俺達に引けを取らないどころかそれを越えそうな個性を持っている。


これは矢吹の意図的行為?


俺の考え過ぎか?


深く考える内に眠りについてしまった様で、次の日の朝にはまるで夢の如く泡となり消え、気にする事もなかった。

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