《MUMEI》

だからといってカーリルとて国王の言いなりなどなるつもりは無い。

カーリル「父上、いくら神子同士だからといって婚約、ましてやこのままいったら結婚など了承しかねる。友好国の姫ならともかく、友好国でもない弱小の小国の姫など。
しかも5日後に来るだと?いつの間にそこまで話が進んでいる!
当事者である私に断りもなく!冗談じゃない」

カーリルが文句を並べていると今まで黙っていた話を聞いていた人が口を開いた。

妃「そうは言うけどね、カーリル。わたくしは今まで何度もこの婚約の話あなたにしてきましたよ。でもカーリルってば、その度に忙しい、話は後にしてくださいって聞いてくれなかったんですもの。」

溜め息つきで言われてしまった。

身に覚えがあるため、反論が出来ず口を閉じてしまったカーリルを見逃す国王ではなかった。

王「カーリルよ、もう子供ではないのだ。ましてお前はこの国の王子、そんな話聞いていなかったではすまないのだぞ。妃は何度も話そうとしていたのに。悪いのはお前だ」

妃に続き国王にまで苦言を言われ拳を握って押し黙ってしまったカーリルを見て承諾とみなし今度こそ国王夫妻は退室した。

「くっそっ!!」

1人残されたカーリルは力一杯悪態をつくと、足音も荒く自室に戻るため踵をかえした。



妃「陛下…よろしいのですか?いかに神子同士とはいえ、あの子が素直に婚約を認めるかしら?」

王「なに、心配いらないさ。あそこまで言われさらに追いすがってくることは無い。
それこそ子供が駄々をこねるのと同じこと
あやつがするとも思えんわ」

国王はカーリルを黙らすことが出来てご機嫌な様子
顔には笑みが浮かんでいる。

王「それにな」

妃「はい?」

王「わしの息子だ運命には逆らえんさ。
きっと姫に惹かれる。わしとお前のようにな」

自身満々、ウインク付きで言う国王

妃「陛下…///」

そんな国王にトキメク王妃
ジーブル帝国の国王夫妻は未だにラブラブ夫婦だった。

前へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫