《MUMEI》 余命一日です。「あなたの余命は一日です。つまり、今日です。」 なんとなく行った小さな病院で言われた一言。 朝の九時半に言うことじゃないだろう。 「……はあ、そうですか。」 それだけ言って、病院を出た。 診察したのお爺ちゃんだし、第一私はまだ二十歳だし。 でも、私、今日死ぬのかな。 ボーッと歩道を歩いていた。 車の騒音とガソリンスタンドの声が聞こえる。 あ、あと風が私を過ぎる音。 平和なこんな日に死ぬのか、私。 ふぅん。 じゃあ、やりたいことやらなきゃだよね。 でも、やりたいことってなんだっけ? 電線に止まる鳥をなんとなく避けながら、一人で考えた。 次へ |
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