《MUMEI》 「お母さーん、ただいまー!」 ノックもインターホンもせずに懐かしい家に勝手にあがりこむ。 私の家だし、いいかなって。 インターホンが微妙に遠くて見つけにくいので、ある意味はないと思う。 「あらぁ、帰ってきたんだ。どうしたん?とりあえずリビング座っとって。」 臨機応変なお母さんはキッチンからひょこっと顔を出して、またすぐに見えなくなった。 まったく、人が死ぬってのに。 そんなことを思いながら、顔に少し出しながら。 手軽な荷物を玄関に置き、慣れた足でリビングへ向かう。 これまた所々の破けたソファに感動し、ゆっくりと近づき、ゆったりと座った。 こりだよ、うん。わかっとるなぁ、このソファ。 などと頭の中で語る。 やっぱり実家が一番だ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |