《MUMEI》 速水慎一浅野さんに連れられてまずは店の掃除をする事になった菜々。ひとりでテーブルをふいていると、休憩中なのか速水さんが、「なぁなぁ、澤木さんだよね?」「はい」とこたえると、「菜々ちゃんっていうんよなぁ、じゃあ今日から菜々ちゃんって呼ぶな」といってきた。内心うれしかった反面驚いた。速水さんには馬鹿にされている気がしていたけれど、こんな風にフレンドリーにはなしてくれるなんて思っていなかったからだ。「いいですよ★」というと、ニコッと笑って去っていった。何だか不思議なひとだけど憎めないなと菜々は感じた。ちょっと軽いけど悪い人ではないし、あだ名も付けてもらったしよかったなあ! 菜々はうれしそうに微笑んだ。もっとこのカフェのみんなと仲良くなりたい。菜々はそう思った。 前へ |次へ |
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