《MUMEI》 次の日、民達は喜んだ。陛下の風邪が治り、元 気になったからだ。だがただ一人、その事に驚 き焦っていた。 自室で"いつも通り"に政務を行っていた時、扉 が慌ただしげに開いた。 ク「陛下、風邪が治ったと言うのは本当ですか !?」 「いきなりどうした?お前が薬を作り、治った のだ。何を驚くことがある?」 ク「あ、……っい、いえ、その……お体の調子 は…」 「見ての通りだな」 ク「そ、そうですか……っそれは、良かった…」 「本当に?」 ク「え?……っ!?」 指をパチンと鳴らすと影から黒い手が伸び、ク ロードを押さえつけた。 「俺が元気に政務を行っているとおかしいかな ?」 ク「……っ」 「……そうだよね。普通だったら死んでるよね。 クロードがくれた毒薬で」 ク「!?」 「気付いていなかったとでも?……まぁ、口に 含んでから分かったことだけど、驚いたよ。君 はこんなことしないって信じてたから」 ク「……」 「……だんまりか、ま、分かってたけどね」 青白い顔のクロードは俯き、何かに耐えるよう に下唇を噛んでいた。 ク「貴方の事ですから逃げられませんよね」 「ああ」 それを合図に隠れていた彼らが出てきた。右は ロイド、左をゼス、後ろをイズモで退路を塞ぐように囲んだ。 「さぁ、話してもらおうか、クロード」 前へ |次へ |
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