《MUMEI》
藤井と翔
「瑞穂ちゃんありがとう」
「いいのきにしないで」
私たちは、二年棟の校舎を出る。
「その、噂どこから流れてきたんだろうね」
「さあ、でも私藤井なんて興味ないし、恋愛なんてどうでもいい」
「まーたそんなこと言ってさ、恋なんてある日突然隕石のようにおちるもんだよ」
「なに、そのたとえ」
「ま、理沙に言い寄る男はみんな誠実で真面目そうだよね」
「言い寄られても」
困るだけだ。

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