《MUMEI》
約束はうそつき
「おじゃまします!」








出来るだけ元気にいかないと、と気合をいれてみる







けど










なんのために なんだろう










お母さんがいるから?









「………あ」









リビングにつくと、一之瀬君のお母さんが座っていた








うつむいていて、こっちを見もしない











「気にしないでいいから」








一之瀬君の声が低い










風邪だから?






でも









それだけじゃない









「うん」









それ以外の言葉は どれもぎこちなくなりそうで







少しだけ後悔した

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