《MUMEI》 断末魔の叫び「凛ちゃんやっとかえってきたようですね」 「ふー、しかしなんであの子は毎日のように隔離病棟を脱出するけれども きちんと鍵は施錠されてあるわけ?今日みたいな警察沙汰になったら 私たち病院の責任問題に追われるのよ」 「でも、精神的に問題はないにせよ 私は凛ちゃんの母親でありたいんです」 「そんな、きれいごとほざいてる場合! 精神的に問題がないのなら ふつう警察沙汰にはなに一つならないの いい、私はあの子の担当じゃないけど」 「落ち着いてください」 私と長澤さんがもめているとき 神田院長が姿を現した 神田院長は、年齢が若く、そのうえキャリアも相当積んでいる若きベテランだが 穏やかな人柄でもあり こういう、争いは苦手 「患者さんもお休みになさっているんですから」 「そうね、夜分遅くに口げんかなんて よくないわねお先に失礼するわ」 「・・・」 「長澤さんもああ見えて実は凛さんのことを 深く心配しています」 「そう、ですかね」 前へ |次へ |
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