《MUMEI》

飲んで飲んで、夕方にはもう酔い潰れていた私は、その後寝てしまったらしい。

起きたら、自分の部屋にいた。

「……………ん…。」

頭が痛い。



なんだ?

独り暮らしだったはずなのに、人の気配がする。

あ、奈津子かな。

「奈津子ー?」

寝返りをうってから、台所で何かをしているらしい奈津子を呼ぶ。

私の部屋には時計がないので、携帯を見てもらおうとした。

「奈津子じゃないよ。残念でした。」

声が随分と低くて、妙に男っぽい。

「…………は。」

頭痛も忘れ、あわてて起き上がった。

赤崎君が立っていた。

「おはよ。」

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