《MUMEI》 部屋の中央、テーブルの上にあの少女が持ってきた花束が置いてあった 小さく可愛らしい花束、どうやら少女の手作りの様で 見ていて、つい笑みがこぼれてしまう 「……?」 そこで戸河内は花束に手紙が添えられている事に気が付いた 可愛らしい、キャラクターモノの封筒 お姉ちゃんへと書かれたソレがつい気になりはしたが 勝手に開ける訳にはいかないと また花束に添え直し、テーブルの上へ 「……もう少し、寝ようかな」 漸く眠気が訪れはしたのだが また藤本の処に戻るには何となく気恥しく 寝室から厚手の毛布を一枚引き摺ってくるとリビングへ 持ってきたソレにくるまりソファへと座ると 戸河内はそのままゆるりと寝に入ってしまっていたのだった…… 前へ |次へ |
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