《MUMEI》
佐山暁彦
更衣室に行くと浅野さんがいた。「あれ?なんで浅野さんおられるんですか?」と聞くと、「今日は私情があって午後からの出勤なのよ。」といった。「あっそうなんですかぁ。」と菜々。
ふたりで一階のカフェテリアに降りて行くと佐山さんだけがいた。浅野さんが「あれ?佐山くん速水くんはどこかいったの?」と聞くと「あぁ、あいつは女ですよ。」といった。速水さんて彼女いたんだぁ。まぁあれだけカッコよければ、彼女のひとりやふたりいてもまったくおかしくない。「しょうがないわねぇ、速水くんは」あきれたように浅野さんはいった。
佐山さんが
「あいつらしいっすよねぇ」といった。速水さんの会話はここまでで終って、本格的にお客さんが入ってきた。速水さんのいうとうり、金曜日なので客足がたつ。このカフェは二階まであって、お客さんも沢山入れるようになっている。なのでとても忙しい。めがまわるようだ一時間働いただけで、もうクタクタだ。厨房には佐山さんと数人のシェフがいる。厨房はフロアよりずっと忙しそうだ。このカフェはレストランのように料理も提供しているために料理を一緒に注文してくるお客さんも沢山いる。それなので、厨房もとても忙しいのだ。厨房で料理を作る佐山さん…。一生懸命に作る姿は少しカッコいいと思ってしまった。佐山さんと目があってしまった。一瞬ドキっとしたけど、菜々はすぐに目をそらした。佐山さんはやはり怖いとしか思えない。佐山さんもすぐに目をそらした様だ。

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