《MUMEI》
約束の当日
どうしよー、ついに海くんとの約束の日曜日が来てしまった。

「この服でいいかな?」

この前買った新しいワンピースを着て、鏡の前で立ってたら、

「美亜!海が来てるけど」

「沙月…」

あの日からずっと消えないモヤモヤした気持ち。

「早く、海待ってる」

「…わかってる」

沙月はあたしが他の人とデートしても気にしないもんね。少しは気にしてくれたって…いいのに。

あたしは沙月を置いて玄関に向かった。

「美亜、行かないでくれよ」

こんなこと言ってるのも気づかなかった。

「海くん!」

「美亜ちゃん!今日も可愛いね!」

「あっ、ありがと」

「行こっか」

もし、この時行かなければ




あんな事にはならなかった。

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