《MUMEI》

編集部にて
「ああ、どういうことだ」
「これだから、いまどきの若い子は社会的一般教養がなってないね」
「はあ、でも先生は漫画家を辞めると」
小松は明らかにあきれた表情をしていた。
あれから、未来は漫画家を本格的に引退し
みずからのスタジオを閉め、小松ら雇っていたアシスタントも全員解雇になった
「それに、一昨日を境に先生とは音信不通、私がいくら電話をかけても
留守電なんです」
「ふー」
編集部の上層部の人間は
大きなため息をついた。
「なんという」
「それに、今回はかなり大ごとになるんじゃないか」
「ですね」
「あいつは、うちら出版社の底辺漫画家とはわけが違う」
「ですね、これでフラワーも松下先生のような逸材さえ現れなければ
もう、終わりです」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫